経理として働く中で、「このままの年収で大丈夫だろうか」「年収800万円なんて夢の話かもしれない」と感じたことはありませんか?
実際に、経理職の平均年収は約500万円程度とされており、営業職のように成果が直接給与に反映されにくい職種です。しかし、諦める必要はありません。年収800万円を稼ぐ経理担当者は確実に存在します。
重要なのは、どのようなスキルや経験を積めば年収アップが実現できるかを理解し、戦略的にキャリアを構築することです。年収800万円は決して非現実的な目標ではなく、適切なステップを踏むことで到達可能な水準なのです。
経理職の年収構造を理解する
1.経理職の平均年収
経理職の年収構造を理解することから始めましょう。経理職の平均年収は約500-600万円程度とされており、日本全体の平均年収(約460万円)と比べると、やや高い水準にあります。
ただし、経理職の年収は経験年数、役職、企業規模、業界によって大きく異なります。年収800万円を目指すためには、これらの要因を理解し、戦略的にキャリアを構築することが重要です。
2.企業規模・業界による違い
年収は企業規模や業界によって大きく異なります
企業規模別の特徴
・大手企業・上場企業:年収水準が高く、福利厚生も充実
・中小企業:昇進のチャンスが多い一方、年収上限が制限される場合も
・外資系企業:実力主義で早期の年収アップが期待できる
業界別の年収水準
・金融・保険業:年収水準が高い傾向
・IT・情報通信業:成長企業が多く、将来性が豊か
・インフラ系:安定性が高く、長期的な年収アップが期待できる
年収800万円を目指すなら、自分が働く業界や企業規模の特徴を理解し、適切な戦略を立てることが重要です。
年収800万円を狙うために必要なスキルや経験
年収800万円レベルの経理担当者に求められるスキルは、大きく3つに分けられます。
1.上場基準の経理スキル
・連結決算・四半期決算業務
・有価証券報告書等の開示資料作成
・監査法人との折衝・対応
・国際会計基準(IFRS)への対応
・ERP(SAP、Oracle等)の運用経験
上場企業レベルの経理業務を習得することで、転職市場での価値が大幅に向上します。特に連結決算や開示業務の経験は、年収800万円以上の求人では必須条件となることが多いです。
2.マネジメントスキル
・経理チームの統率・人材育成
・予算策定・管理業務
・財務分析・経営分析
・業務改善・コスト削減の企画実行
・他部署との調整・コミュニケーション
年収800万円レベルでは、単なる実務担当者ではなく、チームを率いる管理職としての役割が求められます。最低でも課長クラス以上のマネジメント経験が必要と考えておきましょう。
3.英語力
・海外子会社との連絡・調整
・英文財務諸表の作成・読解
・TOEIC 800点以上(目安)
・国際会議・電話会議への参加
グローバル化が進む現代において、英語力は年収アップの重要な要素です。特に外資系企業や海外展開する企業では、英語力の有無が年収に直結します。
年収800万円に近づくためのキャリア戦略
現在の職場でできること
・積極的な業務範囲の拡大
・新しいプロジェクトへの参画
・業務効率化の提案と実行
・後輩指導・メンター役の引き受け
・会計・税務の勉強会・セミナー参加
転職を考える前に、まずは現在の職場でできることから始めましょう。
積極的に業務範囲を広げ、マネジメント経験を積むことで、将来の転職時にアピールできる実績を作ることができます。
年収800万円を目指せる転職先の特徴
成長業界(IT、コンサル、金融)の魅力
IT・コンサル・金融業界は、年収800万円を目指す経理担当者にとって最も狙い目の業界です。これらの業界は業界全体の年収水準が高く、急成長に伴う昇進機会も豊富です。
特にIT業界では、デジタル変革の波に乗り、従来の経理業務に加えてシステム導入や業務自動化プロジェクトに携わる機会が多く、新しいスキルを身につけながら年収アップを実現できます。
企業規模による年収の違い
大手企業は安定した年収水準と充実した福利厚生が魅力です。昇進には時間がかかる場合もありますが、一度管理職になれば年収800万円以上は確実に狙えます。また、研修制度や人事制度が整っており、長期的なキャリア形成に適した環境が整っています。
一方、ベンチャー企業は早期昇進の可能性と大きな裁量権が特徴です。IPO準備企業では経理部長やCFO候補として、入社時から年収800万円以上で迎えられるケースも少なくありません。急成長企業では、業績に応じた昇給・昇格のスピードも速く、短期間での年収アップが期待できます。
外資系企業の高年収の仕組み
外資系企業は実力主義による早期昇進が可能で、基本給にインセンティブが加わる年収体系が一般的です。高い英語力が必要ですが、TOEIC800点以上の英語力があれば、日系企業では到達困難な年収レベルも現実的に狙えます。
高年収につながるポジション・役割
管理職候補としての採用の狙い目
経理マネージャー・部長候補、将来のCFO候補といったポジションでは、管理職経験がなくても応募可能な場合があります。特に成長企業では、ポテンシャルを重視した採用が行われており、入社後数年をかけて年収800万円レベルに到達することを目指せます。
転職時の年収アップは10-20%程度の増加が一般的ですが、企業の成長ステージや求められるスキルによっては、大幅に上がるケースもあります。特にIPO準備企業や急成長ベンチャーでは、適切な経験を持つ人材に対して競争力のある条件を提示することが珍しくありません。
専門性が高く評価されるポジション
- 上場準備企業でのIPO関連業務:株式公開に向けた経理体制の構築は希少性が高く、転職市場での評価が高い
- M&A・企業再編に関する経理業務:企業の統合や分離に伴う複雑な会計処理の経験は市場価値が高い
- 海外展開企業での国際業務:海外子会社管理や国際税務の経験は、グローバル企業で重宝される
- システム導入・DX推進プロジェクト:経理のデジタル化を推進できる人材は、多くの企業で求められている
これらの専門性の高い経験は、転職市場での差別化要因となり、年収交渉を有利に進められる重要な武器となります。現在の職場でこうした経験を積むことができれば、将来的に年収800万円レベルのポジションへの転職可能性が高まるでしょう。
まとめ・行動促進
年収800万円を目指すために必要なのは、上場基準の経理スキル、マネジメントスキル、英語力の3つです。
継続的なキャリア開発こそが、年収アップの最も確実な道筋です。現在の職場でスキルを磨くことも重要ですが、より良い条件を求める際には転職という選択肢も検討してみてください。
ご自身の市場価値や足りないスキル・経験について選考を通じて理解できるはずです。
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適切なスキルと経験を積み重ねることで、年収800万円という目標は決して夢ではなく、現実的に達成可能な目標となるはずです。