経理として一定の経験を積んできたものの、現職では昇給額が少なく「この先も年収は大きく変わらないのでは」と感じているのではないでしょうか。
経理の年収は、企業規模や業界、ポジションの選び方ひとつで、将来の収入水準に大きな差が出やすい職種でもあります。
この記事では、転職によって年収アップを目指す経理の方に向けて、次の年収ごとに狙うべき求人と評価されやすいポイントを整理して解説します。
●年収400万円 → 500万円
●年収500万円 → 600万円
●年収600万円 → 700万円
あわせて年収交渉の方法や転職の進め方を紹介しますので、年収を一段引き上げたいと考えている経理の方は、ぜひ参考にしてください。
- 経理職の年収で格差が生まれる理由は?
- 企業規模による年収の差が大きい
- 業界により年収水準が異なる
- 経理の転職で年収+100万円を目指せる求人の特徴
- 400万円 → 500万円:実務の幅を広げられる中小企業
- 500万円 → 600万円:主担当として評価される中堅企業
- 600万円 → 700万円:役割と裁量が大きい上場企業・大手子会社
- 500万円 → 600万円:主担当として評価される中堅企業
- 600万円 → 700万円:役割と裁量が大きい上場企業・大手子会社
- 失敗しない年収交渉のタイミングと伝え方のコツ
- 給与交渉には前提条件がある
- 内定後から内定承諾前がベスト
- 希望年収は相場と根拠をセットで考える
- 経理が転職で年収アップするための具体的な進め方
- 業界・企業規模・経験に合うポジションから狙う
- 年収アップに有利な資格を取得する
- 転職エージェントを活用する
- まとめ:経理で年収アップを目指すなら、バックオフィス特化の転職エージェント「AGS」へご相談ください
経理職の年収で格差が生まれる理由は?

経理の年収差は、企業規模や業界によって生まれやすい傾向があります。
ここでは、経理職の年収に差が出る理由を、企業規模と業界の違いという2つの視点から解説していきましょう。
企業規模による年収の差が大きい
経理の年収は、どの年代から差が広がり始めるのかを見ると、企業規模による影響がはっきりと表れます。
令和6年の賃金構造基本統計調査をもとに、年収が+100万円前後伸びるタイミングを企業規模別に整理しました。
| 企業規模 | 年齢 | 年収 |
| 1,000人以上 | 20~24歳 | 3,346,900円 |
| 1,000人以上 | 25~29歳 | 4,358,300円 |
| 1,000人以上 | 30~34歳 | 5,282,200円 |
| 1,000人以上 | 40~44歳 | 6,532,900円 |
| 企業規模 | 年齢 | 年収 |
| 100~999人 | 25~29歳 | 3,908,000円 |
| 100~999人 | 35~39歳 | 4,855,300円 |
| 100~999人 | 50~54歳 | 5,571,500円 |
| 企業規模 | 年齢 | 年収 |
| 10~99人 | 25~29歳 | 3,597,100円 |
| 10~99人 | 40~44歳 | 4,655,500円 |
| 10~99人 | 55~59歳 | 4,833,100円 |
出典:厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査(区分:会計事務従事者/企業規模:1000人以上,100〜999人,10〜99人/男女計)」をもとに作成
このように、大企業は「20代後半から30代前半」や「30代前半から40代前半」と比較的早い年代で年収が大きく伸び始めています。
一方で、中小企業では「30代後半から50代前半」にかけて昇給の伸びが緩やかになり、同じ経験年数でも年収の差が広がりやすい傾向にあります。
業界により年収水準が異なる
経理の年収を左右する要因のひとつに、業界ごとのビジネス構造の違いがあります。
たとえば、次のような要素が業界ごとの年収の差の原因となります。
- 売上規模:取引額が大きい業界ほど、扱う金額や責任の重さも増す
- 利益率:利益に余裕がある業界は、人材への投資もしやすくなる
- 人件費への考え方:専門職にどれだけコストをかけるか
このため、金融・商社・製薬など利益率が高く、会計処理が複雑な業界では、経理の年収も高めに設定されるケースが少なくありません。一方で、薄利多売のビジネスモデルが中心の業界では、同じスキルを持っていても年収が伸びにくい傾向にあります。
経理の転職で年収+100万円を目指せる求人の特徴

経理の転職で年収アップを実現するには、今の年収から一段上を狙える選択がポイントになります。
ここでは、年収ステージ別に、年収+100万円を目指しやすい求人の特徴を整理しながら解説します。
400万円 → 500万円:実務の幅を広げられる中小企業
年収400万円台から500万円を目指す段階では、これから任される役割に目を向けた求人選びが重要です。
次のような求人をひとつの目安にすると、方向性を定めやすくなります。
▼求人の特徴
- 経理体制を強化中の中小企業(従業員数500人以下)や上場グループ会社
- 日次業務中心の担当から月次・年次決算の補助まで任されるポジション
- 実務だけでなく、業務の改善や仕組みづくりにも期待されている環境
このような求人では、「仕訳ができる人」から「決算を担える人」へと役割を引き上げる前提に設計されているケースが多く、年収500万円クラスのポジションにつながりやすくなります。
500万円 → 600万円:主担当として評価される中堅企業
年収500万円台から600万円を目指す段階では、「決算を任されているか」が求人選びの軸になります。
次のような求人を目安にすると、狙うべきポジションが絞りやすくなります。
▼求人の特徴
- 経理体制を強化中の中小企業(従業員数500人以下)や上場グループ会社
- 日次業務中心の担当から月次・年次決算の補助まで任されるポジション
- 実務だけでなく、業務の改善や仕組みづくりにも期待されている環境
この年収帯では、「決算を回せる人」から「決算を任せられる人」へと立ち位置が変わります。
締め業務を主導し、関係部署や外部との調整も担えるようになることで、年収600万円クラスのポジションが現実的になってきます。
600万円 → 700万円:役割と裁量が大きい上場企業・大手子会社
年収600万円台から700万円を目指す段階では、「どんな役割を担っているか」が評価の中心になります。
次のような求人を目安にすると、次のステージが見えやすくなります。
▼求人の特徴
- 経理体制を強化中の中小企業(従業員数500人以下)や上場グループ会社
- 日次業務中心の担当から月次・年次決算の補助まで任されるポジション
- 実務だけでなく、業務の改善や仕組みづくりにも期待されている環境
この年収帯では、「決算を回せる人」から「組織として成果を出せる人」へと期待値が変わります。
実務にくわえて、チームの動かし方や業務の仕組みづくりまで担えるようになることで、年収700万円クラスのポジションが視野に入ってきます。
500万円 → 600万円:主担当として評価される中堅企業
年収500万円台から600万円を目指す段階では、「決算を任されているか」が求人選びの軸になります。
次のような求人を目安にすると、狙うべきポジションが絞りやすくなります。
▼求人の特徴
- 従業員数500〜2000人規模の中堅企業、または大手グループ会社
- 月次・年次決算の主担当(四半期決算を含む)として任されるポジション
- 税理士や国税庁、監査法人対応など、対外的なやり取りも業務範囲に入る
この年収帯では、「決算を回せる人」から「決算を任せられる人」へと立ち位置が変わります。
締め業務を主導し、関係部署や外部との調整も担えるようになることで、年収600万円クラスのポジションが現実的になってきます。
600万円 → 700万円:役割と裁量が大きい上場企業・大手子会社
年収600万円台から700万円を目指す段階では、「どんな役割を担っているか」が評価の中心になります。
次のような求人を目安にすると、次のステージが見えやすくなります。
▼求人の特徴
- 中堅企業、IPO準備企業、上場企業や大手子会社のプレイングマネージャー・リーダー候補
- 連結決算や開示業務、またはチームマネジメントが主な業務内容
- 業務設計や改善、後輩育成など、組織全体を見渡す役割が含まれている
この年収帯では、「決算を回せる人」から「組織として成果を出せる人」へと期待値が変わります。
実務にくわえて、チームの動かし方や業務の仕組みづくりまで担えるようになることで、年収700万円クラスのポジションが視野に入ってきます。
失敗しない年収交渉のタイミングと伝え方のコツ

年収交渉と聞くと、「お金の話を切り出すのは気が引ける」と感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、タイミングと伝え方を押さえることで、年収交渉は実現しやすくなります。
ここでは、転職時に年収交渉を成功させるためのポイントを、順を追って解説します。
給与交渉には前提条件がある
年収交渉は、まず採用したいと思ってもらえるかが重要です。
交渉では強く主張するよりも、相談・確認の姿勢で臨むことが、結果的に条件面の前向きな検討につながります。
また、自分の経験やスキルが市場でどのように評価され、その企業でどんな役割を期待されているのかを理解しておくことも欠かせません。
そのうえで、一方的な条件を求めるのではなく、「この条件で、どのような役割をお任せいただけますか」と確認しながら話を進めることで、企業側も前向きに検討しやすくなります。
内定後から内定承諾前がベスト
年収交渉のタイミングとして最も現実的なのは、内定が出てから承諾するまでの期間です。
この段階であれば、企業側も「採用したい」という意思を持ったうえで条件を提示しているため、話し合いの土台が整っています。
具体的には、次のような場面が交渉のきっかけになります。
- 内定後に設定されるオファー面談で、条件面をすり合わせる
- 面接中に希望年収を聞かれたタイミングで、考えている年収を伝える
- 内定承諾前に、転職エージェントを通して条件調整を相談する
一方で、選考の途中や評価が固まる前に条件の話を切り出すと、意欲やスタンスを誤解されてしまうこともあるので、その点には注意しましょう。
希望年収は相場と根拠をセットで考える
年収交渉で重要なのは、その金額にどんな根拠があるかを示せることです。
まずは、募集要項に記載されている想定年収を基準に、現実的なレンジを把握しましょう。
そのうえで、次の3つの視点から希望額を組み立てます。
- 業界の水準:同じ経理職でも、業界によって年収レンジは大きく異なる
- 企業規模:中小企業か大企業かで、人事制度や昇給幅も変わる
- 自分の経験:決算の主担当経験、税務・監査対応、業務改善などの実績
たとえば、想定年収が「500万〜650万円」の求人であれば、自分の経験がどのレベルに当たるのかを整理したうえで、「この業務範囲なら550万円前後が妥当」と説明できる状態をつくるのが理想です。
さらに、「希望ライン」「現実ライン」「最低ライン」の3段階を用意しておくと、企業側の反応に合わせて柔軟に話を進めやすくなるでしょう。
経理が転職で年収アップするための具体的な進め方

経理が転職で年収アップを実現するには、求人を選ぶ段階から準備・進め方までを一体で考えることが重要です。
ここでは、年収を上げるための進め方を解説します。
業界・企業規模・経験に合うポジションから狙う
経理の年収は、「業界・企業規模・ポジション」の組み合わせでほぼ決まる傾向にあります。
そのため、高年収求人を無理に狙うよりも、今の経験が評価されやすい求人を選ぶと年収100万円アップを現実的に狙いやすくなります。
たとえば、「非上場の中堅企業」から「上場子会社・大手グループ企業」や、「従業員200名規模の企業」から「従業員500名規模の企業」などのステップアップです。
このように、企業のステージを段階的に上げることで、年収水準も高まりやすくなります。
年収アップに有利な資格を取得する
経理の転職で年収を伸ばしたい場合、実務経験にくわえて「評価につながりやすい資格」も大きなポイントになります。
ただし、やみくもに資格を取るのではなく、求人市場で評価されやすいものを選ぶことが重要です。
たとえば、「日商簿記2級」や「税理士科目」の合格、「FASS検定」などの実務知識のレベルを示す資格が有効とされています。
転職エージェントを活用する
年収アップを狙う転職では、企業の本音や条件面でどこまで相談できるのかを、個人で見極めるのは容易ではありません。
そのような情報を得るうえで、転職エージェントのサポートが役立ちます。
エージェントを通すことで、今の経験で年収+100万円を目指せる求人の紹介や、応募先企業が重視するポイントを事前に把握しやすくなります。
さらに、必要に応じて年収の相談や条件面の調整も任せられるため、自分から切り出しにくいテーマでも安心して進めやすくなるでしょう。
ひとりで判断するのではなく、プロの視点を取り入れることが年収アップへの近道になります。
まとめ:経理で年収アップを目指すなら、バックオフィス特化の転職エージェント「AGS」へご相談ください

経理は、経験を積み重ねるほど専門性が高まり、市場での評価も変わっていく職種です。
そのため年収アップを実現するには、「どんな求人を選ぶか」と同時に、「これまでの経験をどう伝えるか」が結果を左右します。
バックオフィス特化の転職エージェント「AGS」では、経理のキャリアに精通したアドバイザーが、応募書類の整理から面接での伝え方、条件面の相談まで一貫してサポートしています。
経験の棚卸しから求人選定までをプロの視点で整理することで、転職の成功確率は着実に高まるでしょう。
監修者
株式会社AGSコンサルティング
クライアントサクセス部・サブマネージャー
花井 功
外食産業の店舗責任者からジョブチェンジして、採用サービスを取り扱うITスタートアップ(現プライム上場)に2013年に入社。IS、FS、CSと役割を変えながらスタートアップから大手上場企業まで採用コンサルティングに従事。その後、RPO、人材紹介の事業立ち上げフェーズに参画。2025年AGSコンサルティングにて人材ビジネスの立ち上げ責任者として入社。現在に至る。