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2026.01.19

上場企業の経理へ転職するための応募戦略と求められる実務経験

上場企業の経理は、「激務」や「高度な専門性が求められる」といったイメージから、転職後の働き方などに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。一方で、上場企業の経理には、実務を通じて専門性を磨きながら、段階的なキャリアアップを目指せるという魅力があります。

本記事では、上場企業の経理業務の特徴をはじめ、転職時に求められる実務経験やスキル、応募戦略や求人の見極め方までを整理して解説します。

上場企業の経理への転職を検討するうえでの判断材料として、ぜひ参考にしてください。

上場企業の経理は非上場企業と何が違うのか

上場企業の経理は非上場企業と何が違うのか

上場企業と非上場企業では、経理に求められる役割や業務の軸が大きく異なります。

ここでは、上場企業と非上場企業の経理業務の違いを整理します。

上場企業の経理は「外部向けの業務」が中心になる

上場企業の経理では、投資家や金融機関など社外に向けた業務が中心になります。
決算業務そのものにくわえて、「正確さ」「期限厳守」「説明責任」が強く求められる環境といえるでしょう。

主な領域は、次のとおりです。

  • 決算短信・四半期報告書・有価証券報告書の作成
  • グループ会社を含めた連結決算の取りまとめ
  • 監査法人とのやり取りや内部ルールの整備・運用対応

いずれも提出時期が決まっており、年に4回の四半期決算や決算短信などの開示対応を正確かつ期限内に進めることが求められます。そのため、上場企業の経理では、会計基準への理解力や業務の正確性、調整力が重視されます。

また、業務は細かく分業される傾向があり、一人ひとりが担う領域は限定される一方で、専門性は非上場企業よりも深くなりやすい点が特徴です。

非上場企業の経理は「内部管理と税務」が中心になる

非上場企業の経理では、社内の経営判断や適切な納税を支える役割が中心になります。上場企業のような開示義務がないため、業務の軸は「会社の中に向けた数字管理」に置かれています。

主な領域は、次のとおりです。

  • 月次・年次決算の取りまとめ
  • 法人税・消費税などの税額計算や申告対応
  • 資金繰りの把握や金融機関向けの資料作成

経営者や事業部と距離が近く、数字をもとに状況を説明したり、改善点を整理したりする場面も少なくありません。

また、決算については年に一度の年次決算が中心となります。
提出時期は定められているものの、上場企業ほど短いサイクルでの報告や細かな説明を求められる場面は少なく、作業量やスピードの面では比較的調整しやすい環境といえるでしょう。

 

上場企業の経理は忙しい?働きやすい?

上場企業の経理は忙しい?働きやすい?

上場企業では四半期決算や開示対応による繁忙期はあるものの、業務が分担されているため、特定の人に負荷が集中しにくい傾向があります。

人員配置やシステム面の整備も進んでいることが多く、業務量の偏りが起こりにくい点も特徴です。

また、労働環境の面でも、上場企業では制度面の整備が進んでいる傾向にあります。フレックスタイム制度や在宅勤務、時間単位での休暇制度などを導入している企業も多く、ライフステージに合わせた働き方を選びやすい環境が整っています。

そのため、「忙しさ」で見ると、非上場企業で少人数体制のなか、決算・税務・管理業務をすべて対応するケースのほうが、負荷を感じやすい場合もあります。

 

上場企業の経理に求められる経験・スキル

上場企業の経理に求められる経験・スキル

上場企業の経理では、業務の専門性や役割分担が明確な分、これまでどの範囲を主体的に担ってきたかが重要になります。

ここでは、採用時に評価されやすい実務経験やスキルの考え方を解説します。

決算の自走力

上場企業における経理の採用では、決算業務をどこまで自走できるかが重要なポイントになります。

月次・四半期・年次決算を部分的に担当してきたのか、スケジュール管理や社内調整を含めて決算全体をまとめてきたのかで、評価は大きく変わります。

採用側は、仕訳や資料作成といった作業経験だけでなく、業務の優先順位を判断し、関係部署と連携して進めてきたかといった点も見ています。

上場企業では、決算業務がそのまま開示資料の作成につながるため、正確さとスピードの両立が求められます。月次から年次までを一連の流れとして理解し、主体的に対応してきた経験は、採用時に評価されやすい要素といえるでしょう。

開示・連結・監査対応の経験

上場企業の経理部門では、開示や連結決算、監査対応の経験がある人材は即戦力として評価されやすくなります。

とくに、連結決算は会計基準への理解や関係会社との調整が必須であり、対応できる人材が限られるため、採用では大きな強みです。

また、こうした業務は多くの場合、会計システムや連結システム、基幹系システムを前提に行われます。会計システムをはじめ、固定資産管理や原価管理、予算管理など、複数のシステムを使いながら決算を進めた経験があると、実務への適応力という点でプラスに働くでしょう。

資格は基礎力の証明

上場企業の経理職では、これまでの実務経験が重視されるのが基本です。

そのうえで、次のような資格があると、転職においてより大きな武器となります。

  • 日商簿記2級以上
  • 税理士試験の科目合格
  • USCPA(米国各州が認定する公認会計士資格)

日商簿記2級は、仕訳から決算までの一連の流れを理解していることを示しやすく、税理士試験の科目合格は、税務分野への知識や関心の深さをあらわす要素になります。

また、米国各州が認定する公認会計士資格であるUSCPAは、連結決算や国際的な会計基準の知識を持ち合わせているため、上場企業の経理職を目指す際の後押しにつながります

 

上場企業の経理に採用される人材とは

上場企業の経理に採用される人材とは

上場企業の採用選考では、次の3つの観点で総合的に判断されます。

  • 企業が求める人物像と合っているか
  • 書類から経理としての実務経験の深さが伝わるか
  • 面接での説明や質疑応答が適切であるか

ここでは、企業がどのような意図で採用を行っているのかを踏まえつつ、書類選考や面接で見られているポイントを順に解説します。

応募前に押さえるべき採用の背景

上場企業の経理求人では、「なぜこのタイミングで採用しているのか」を把握することが重要です。
採用の背景によって、企業が求めている役割や人材像が大きく異なるためです。

最も押さえておきたいのが、増員募集か欠員補充かという点です。
増員の場合は、事業拡大や体制強化を見据えた採用となり、将来的な役割拡大を期待されることが多くなります。

一方、欠員補充では、早期に戦力となることが求められ、これまでの経験との一致がより重視される傾向にあります。

書類選考で評価されるポイント

上場企業の経理求人では、書類選考の段階から「実務経験の中身」と「その経験をどう活かそうとしているか」が重視されます。

次のような点が判断のポイントです。

  • 月次・四半期・年次決算のプロセスを主担当として行っている
  • 自分の経験が「企業側の課題解決につながる」ことを示せている
  • プレイヤーやマネージャーなど将来的な展望を書いている

このように、決算全体をどの立場で取りまとめてきたか、募集背景を踏まえて自身の経験をどう活かせるのか、さらに数年後のポジションを見据えた応募理由といった点が、企業とのミスマッチを防ぐうえで重要になります。

面接で評価されるポイント

上場企業の経理採用では、面接を通じて「実務をどのように進めてきたか」を具体的に確認されます。

次のような点が判断のポイントです。

  • 決算業務の範囲や手順の進め方を論理的に説明できる
  • スピードや正確性、工夫した点などを具体的なエピソードとして話せる
  • 前職で他部署や関係者とのスムーズな連携・調整を意識してきたか

このように、業務の進め方や調整の仕方を論理的に説明できるかどうかが、評価の分かれ目になります。

そのほかにも、経理組織の体制や入社後の役割、部門が抱える課題などを踏まえた逆質問ができると、転職への本気度が伝わりやすくなります。

 

上場企業の経理を経験すると広がるキャリア

上場企業の経理を経験すると広がるキャリア

上場企業の経理を経験することで、専門性を深める道と、組織を率いるマネジメントの道のいずれも視野に入れることができます。

ここでは、上場企業の経理経験を起点に広がるキャリアの方向性や、その後の選択肢について整理して見ていきましょう。

専門スキルを高めるキャリア

上場企業の経理で経験を積むことで、特定領域に強みを持つスペシャリストとしてのキャリアを描くことができます。とくに、開示業務や連結決算、IFRS対応といった分野は経験者が限られるため、実務を重ねるほど市場価値が高まりやすくなります。

このような専門性を深めることで、上場企業内で中核メンバーとして活躍するだけでなく、監査法人や会計コンサルティングファームなど、会計の専門性を求めるフィールドへキャリアを広げる選択肢も見えてきます。

「決算を広く経験する」段階から、「特定領域を任される」立場へ進むことが、スペシャリスト志向のキャリアでは一つの分岐点となるでしょう。

管理職・CFOにつながるキャリア

上場企業の経理では、専門業務にとどまらず、チームや業務全体をまとめる役割を経験できる点も大きな特徴です。決算の進行管理や体制づくり、業務フローの改善などに関わることで、プロジェクト推進力や組織運営の視点が養われていきます。

このような経験を重ねると、経理マネージャーや部門責任者といった管理職へのステップアップが現実的となり、さらに経営層に近いポジションで意思決定を支える立場へ進む道も開けてきます。

とくに、上場準備企業や成長フェーズのスタートアップでは、経理経験を土台にCFOや役員候補として迎えられるケースもあり、経営に深く関わるキャリアを志向する方にとっては有力な選択肢といえるでしょう。

求人の見極め方

上場企業の経理求人を選ぶ際は、「入社後にどのような役割を期待されているか」を具体的にイメージできるかが重要です。

とくに、増員か欠員補充などの募集背景や、経理組織の人数・役割分担が明記されている求人は、入社後の立ち位置や業務範囲を把握しやすく、ミスマッチを防ぎやすくなります。

求人票だけでは判断が難しい場合は、エージェントとのキャリア面談を通じて、企業の実情や求められる役割を確認することも有効な手段といえるでしょう。

 

まとめ:上場企業の経理で働くなら、有力企業情報と専門性の高い支援を持つ「AGS」へ

まとめ:上場企業の経理で働くなら、有力企業情報と専門性の高い支援を持つ「AGS」へ

上場企業の経理は、非上場企業とは異なり、開示や内部統制、監査対応など社外への説明責任を前提とした業務が中心になります。
その分、求められる専門性や業務の精度は高く、これまでの経理経験の質がより厳密に求められる環境といえるでしょう。

選考では、決算の自走力や開示・連結・監査対応の経験などが評価の軸になります。このような強みを、書類や面接で正確に伝えられるかどうかが、結果を大きく左右します。

バックオフィス特化の転職エージェントであるAGSでは、上場企業・上場準備企業を中心に、採用背景や求められる役割を踏まえたキャリア整理を行っています。

これまでの経験を丁寧にヒアリングしたうえで、どのような企業やポジションで活かせるのかを明確にし、応募書類の整理から面接での伝え方まで個別に支援しています。
具体的な転職時期が決まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。

今の経験で上場企業の経理を目指せるか無料で相談する

花井 功

監修者

株式会社AGSコンサルティング

クライアントサクセス部・サブマネージャー

花井 功

外食産業の店舗責任者からジョブチェンジして、採用サービスを取り扱うITスタートアップ(現プライム上場)に2013年に入社。IS、FS、CSと役割を変えながらスタートアップから大手上場企業まで採用コンサルティングに従事。その後、RPO、人材紹介の事業立ち上げフェーズに参画。2025年AGSコンサルティングにて人材ビジネスの立ち上げ責任者として入社。現在に至る。

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